Super nova
地球の表面積約5億1千万平方キロメートル。
俺は背だけ伸びて182センチ。
残念な肩幅。
大きく見積もっても、
1.8平方メートルの体表面積。
地球の283垓3333京3300兆分の1。
そんな俺、己の通う高等学校の階段の踊り場で地球に自分の体表面積の半分を顕示。
彼女の体表面積は俺の7割くらいか。
ぺたりと座っている。
スカートは膝丈、
麗しい膝小僧は拝見できない。
誰に何を聞いたか、
うっすらと目に涙を浮かべて、
私だってわかっています
それでもきりりと言う。
両肩におちるみつあみみたいに、
俺が身を起こせば、
びくりと身体を震わすくせに。
俺はばかみたいに4月にうまれ18。
いない人の年齢をとうに越した、末期的。
3月うまれの彼女は15。
学校指定のブラウスのカラーは清潔なかたさをもってカーブを描く。
少しのぞく鎖骨と頬の産毛を見れば、
宇宙のどこかで超新星爆発が起きたに違いない。
俺は一つの恒星を死に追いやった。
ガンマ線を発しながら周囲の天体巻き添え。
だが飛び散った物質は新しい星を作るだろう。
例えば、
俺を見つめる彼女の瞳など。
Super nova
end.