come into blossom
彼女はいない
やっぱりねー
ぎらぎらぎらぎら。
何故そこで盛り上がる。授業ではなかなか感じられない熱意だ。
彼女もこんな目をしていたか。もっと控えめだったような気がするが。ぎらぎらは俺か。
彼女はいない。
妻ならいるが。
そして、君。
第16週の君。およそ200グラム。
地球46億年を経て。
俺、27年、彼女、24年を経て得た君という命。
アデニン、ウラシル、シトシン、グアニン。
四つの塩基が結合し構成する二重らせん。
俺はどうしようもなくまだまだ中途半端、不安二割。そこは勘弁してほしい。
ただ今は彼女と君と生きていける喜び。
その声が俺の声が聞こえるか。
はっくしょい
チョークの粉が鼻腔を来襲。
やだ、くしゃみがおやじくさー
さて、君達はどんなふうに花を咲かす?
come into blossom
end.
さようなら、むすめたち